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雪降らないかな 작가가 그린 같은 내용의 만화(대사 x)



누가 雪降らないかな 작가 소설 올려달라길래

그냥 올리긴 좀 그래서 번역해서 올림

변역기+의역 투성이니까 일본어 되면 그걸로 보셈



일본어 원문




むかしむかしあるところに、たいそう美しく、たいそう意地の悪いお姫さまが二人おりました。



 権力をかさに着て、いばり散らすならまだましなもの。



 その傍若無人なふるまいには、王族の者でさえ、手をこまねいているのでした。



 ひとりの姫さまは、他人から大事なものを奪うのが、たいそう好きでした。



 あたらしい召使いがやってきたと思えば、はじめは親切なふりをして、その召使いにずうっとくっつきます。友だちのように仲良くなり、そうして、召使いがなにか大事なものを見せようと取り出した瞬間、さっとそれを奪うのです。



 そのときの呆然とした顔といったら、たまりません。



 召使いは、まだあつかましくも、姫さまと友だちのつもりなのです。だから、呆然としたあとは、へらへらしながら、姫さまの顔色をうかがったり、様子をじっとながめていたりします。自分の大事なものが、奪われているのにです! ああ、なんてまぬけ。



 姫さまはそのまぬけづらをしっかりと目に焼き付けると、手に取った「それ」を地面に落とし――宝石をあしらったきれいな靴で、粉々に踏みくだくのでした。



 まるで顔にぽっかりと穴が空いたようなその表情を見て、姫さまはうっとりとします。召使いは姫さまの足に這いつくばって、壊れたものをくっつけようとがんばったり、元に戻そうとしたりします。そうして姫さまを見上げます。



 姫さまは、その顔が、ほんとうに、ほんとうに大好きでした。



 夜寝るまえに、ベッドの中で、その顔を思い出して、幸福にひたるのが、姫さまの日課です。



 そうすると、とても安らかに眠れるのでした。



 もうひとりの姫さまは、熱心に市井を見て回るのが日課でした。



 もちろん、意地悪と評判がつくぐらいですから、民のために何かをするわけではありません。



 姫さまが大好きなのは、主に貧民とよばれる人たちでした。



 まんぞくに仕事につけず、その日の食べ物にも困って、いつもお腹を空かせている人たちです。



 姫さまはそういう人たちを見つけると、むっとする悪臭が漂うのにもかまわず、すたすたと近づきます。



 そうしてやさしく、にっこりと微笑んで――



 一緒に連れてきた召使いに命じて、地面を掘らせて、そこに食べ物を放り込むのでした。



 目の前にいる貧民は、きょとんとしています。



 召使いは命じられたとおり、その上にせっせと土をかぶせていきます。



 貧民がようやく、さっき投げ込まれたものが、自分の空腹を満たすものだと気づいたときには、すっかり地面は元どおりに埋められているのでした。



 あわてて、素手で地面をほり返す貧民を、姫さまはにやにやとながめます。



 貧民は大声でわめき、ときには近くにいた子供が横っつらを張り倒されて、穴ほりにつきあわされます。



 ようやく食べ物にたどりついた貧民は、みにくく家族と奪いあいをしたあとに、がぶりと土まみれのそれに噛みつきます。



 それを見て、姫さまはにっこり。



 だって、その食べ物には、姫さまがあらかじめいたずらを仕込んでいたのですから。



 針とか。



 毒虫とか。



 動物のふんとか。



 出入りの職人に、食べ物そっくりの彫り細工を作らせたこともありましたっけ。



 そんなものにかぶりついた貧民は、もう大さわぎ。



 甲高く鳴いたり、暴れまわったり、何も知らない他の貧民になぐられて食べ物を奪われたり、その貧民がまたわめいたり。



 そのようすを見て、姫さまは、心底楽しそうに、けらけらと笑うのでした。



 さて、そんな姫さまたちですから、恨みはつのっていくものです。



 だれからともなく話しはじめ、いつの間にか意見がまとまり、「こらしめてくれ」とだれかに頼むのです。



 もちろん、貴族や王族たちは、その流れを把握しているのですが――「あいつらだから、まあいいか」と思うので、手は出しません。



 そんなものです。



 だから、ある昼食会のあとに、姫さまふたりがはなれに呼びだされたときも――まわりの王族たちは、さっと目をそらすだけでした。



 宮殿のはなれにある塔は、いまは使われていないもので、がらんどうでした。



 いるのは姫さまふたりだけ。



「ちょっと、どういうことよ」



「ちょっと、どういうことよ」



 姫さまふたりは声をそろえて問いただしますが、答えはどちらも知りません。



 声が高い天井にわんわんとひびきます。



 それにうすら寒いものを感じたとき、ようやく、ぎいいと扉がひらく音がして、姫さま以外の者が塔に入ってきました。



「あんた、誰よ」



 いっぽうの姫さまが言いました。



「無礼者! なにか言いなさい」



 もういっぽうの姫さまが、声をあらげました。



 その男は、黒いフードをかぶっていて、異様なふんいきをまとっています。



 おまけに、姫さまの命令に、まったく反応しません。



 今まで見たことのない種類の人間に、姫さまはふたりともたじろいでしまいました。



 黒いフードの男は、おもむろに手のひらを姫さまたちにかかげます。



 そうして、聞いたことのない言葉を三言。



 すると、ぐわんと空気がゆがんだような気がしました。



 黒いフードの男のうしろに、なにかがいるような気がします。



 見えないし、聞こえない。だけど空気の動きを変えるようなものが、男のうしろに浮かんでいる。



 男がまた、なにかしゃべります。まるで意味のわからない言葉を。



 すると、その見えないかたまりは――



 姫たちに向かって、飛んできたのでした。



 むわっとした、蒸しあつい夏の湿気のようなものが、身体をおおっている。



 大事なものを踏みつぶすのが大好きな姫さまは、そのように感じました。



 それはどくんどくんと、脈動しているようにも思えます。



 なにか、とてもまずいような気がしました。



 このままこの空気の中にいると、なにか、取り返しのつかないことになる。



 そんな予感がします。



 抜け出そうと手をふってみるのですが、空気は手の動きと一緒にうごいて、すこしも境目にふれられません。



 とてもいやな気持ちです。



 空気は、じわじわと体のなかに入り込んでいるようです。



 口や鼻から。



 爪の先から。



 毛穴のひとつひとつから。



 そして、内側にたまっているのです。



 体のなかがずしりと重い。



 はやく、これを吐き出さなければ――。



 そう、姫さまが思い、お腹に力を入れた瞬間。



 ぶくりと、姫さまのおなかがふくらみました。



 体のサイズにぴったりだったドレスが、ぶきみに押し上げられます。



 いぼのようなものが、ドレスに浮き出ているのです。



 それはどんどん大きくなり、形がはっきりして――



 ついにドレスを破り、その姿をあらわにしました。



 ぶかっこうな肉のボールのようなものに、やわらかい突起がついているそれは。



 どう見ても、牛の乳房でした。



 取り込んでしまった空気が、体の内側でうごめいています。



 はしたなくも、姫さまのおしりや、太ももや、膝のうらを、中からなで回しているのです。



 それが姫さまの体のかたちを変えているのだと、姫さまは察しました。



 だって、骨が大きくなっているのです。



 筋肉が、ふくれあがっているのです。



 柔らかかった姫さまの肌が、ごわごわになっているのです。



 この空気を吐き出さなければ。



 私はきっと、全身が牛になってしまうんだわ。



 姫さまはそう思い、なんとか口をあけて、体のなかの重い空気を吐き出そうとしました。



 だけどもう、遅かったようです。



 口を大きく開けたとたんに、姫さまのきれいな顔がゆがみます。



 まるで粘土をわしづかみにして、引き上げるみたいに。



 姫さまの顔は大きく前に突き出して。



 けもののような、はなづらになってしまいました。



 姫さまのととのった鼻がぺちゃりとつぶれたかと思うと、そのまま横にひろがって、みっともなく、大きな鼻の穴があらわになります。



 涙目になって、小鼻をふくらませる代わりに、その洞くつのような牛の鼻孔が、ひくひくと広がるのです。



 姫さまの、美しいストレートの髪のすきまから、にゅうと尖った耳が伸びます。



 姫さまの、なめらかな頭の先から、にゅうと曲がった角が伸びます。



 もう、姫さまの顔は、だいぶ牛のようでした。



 では、もう一方の姫さまはどうでしょう。



 貧民が這いつくばって、地面をほるのをながめているのが大好きなあの姫さまです。



 同じように、ふしぎな空気にまとわりつかれた姫さまは、じぶんの体がずっしりと重くなっていくのを感じていました。



 だけど、もう、どうすることもできません。



 体が重くて、逃げるどころか、動くことだってままならないのです。



 取り込んだ空気は、すみずみまで、体のなかに行き渡ってしまっています。



 ぷくりと、姫さまの体型が、ひとまわり太りました。



 また、もうひとまわり。



 さらに、もうひとまわり。



 内側の空気がひとりでに大きくなっているみたいに、姫さまの体もどんどんとふくらんでいくのです。



 体型がふくよかになっていくにつれ、布はひきつれ、ドレスの縫い目がぱつぱつと裂けていきます。



 そうして、こちらの姫さまのお腹にも、ぶきみな突起が浮かび上がりはじめます。



 さながら、ドレスの下で奇妙なきのこがいっせいに育ち、突き破ろうとしているかのよう。



 びりびりびり。



 このような事態を想定していなかった姫さまのドレスは、あっけなく破れます。



 すっかり肉づきのよくなった姫さまのお腹に、いくつもの乳房が、縦に並んでいました。



 ほんらい一対しかない乳房がいくつも連なっているさまは、規則正しいのが、かえっていっそう不気味です。 



 いったい自分の体がどうなってるのか、姫さまには見当もつきませんでした。



 だけど、わからずとも、姫さまの変化は止まりません。



 まんまるに頬が張った姫さまの顔の、まんなかにあるかわいらしい鼻。



 それが、むずむずしはじめました。



 すぐにぐいと上に押し上げられたかと思うと、まるで吊り上げられたみたいな鼻の穴が、正面にむかってむき出しに固定されます。



 そのまま姫さまの顔も、やはり口も、鼻も、まとめて前に引っ張り出され、つぶれた鼻の穴が顔のいちばん前におさまるかたちになってしまいました。



 鼻はますます肥大化し、ぶ厚くなって、しっとりとぬれ、さかさのハートのような形でかたまります。ついにはしゃくれあがり、姫さまのなめらかだった鼻すじに、みにくいしわがよりました。



 いつの間にか、姫さまの耳は、腕で圧されたパン生地のように平べったく、びらびらになっていました。



 すきとおるような白い肌には、つんつんとした硬い毛が、まばらに育ちはじめています。



 ふご、ぶごと鳴る鼻音で、姫さまは、ようやく自分がなにになっているのか気づきました。



 貧民街にいく道すがら、このぶさいくなラッパのような音を、なんども聞いたことがありました。



 まるまると太って、泥にまみれて、残飯はおろか、糞まで食べる、あの動物。



 豚です。



 牛になった姫さまと、豚になった姫さまが、なんとかこの場からのがれようとして、ぎこちなくもがいています。



 足腰のかたちがかわって、じっと立つのがつらいのです。



 大きな尻がみっともなく左右にゆれ、そのたびに生えたてのしっぽがゆらついて、姫さまたちはそのおぞましさに、泣き出しそうになりました。



 ふくれあがった乳房をぶるんぶるんとふるわせて、その先っぽに風があたるたび、たしかに自分の胸であることが感じられて、わめき出しそうになりました。



 だけど、いまは逃げないといけないのです。



 逃げ出して、なんとかして、お父様やお母様に、助けてもらわないといけないのです。



 もちろん、そんなことは起こりません。



 みんなもう、姫さまがこうなることに、承知しているのですから。



 あわれなふたりの姫さまを見て、黒いフードの男は仕上げにとりかかります。



 男は手にちからを集め――



 ひゅっと真下にふり下ろしました。



 まるであやつり人形のように、姫さまふたりは、その動きにひっぱられて、まるで召使いが平伏するように、頭を下げて、地面に手を押しつけてしまいます。



 いえ、もう手ではありませんでした。



 よく曲がる指はありません。



 かれんな爪はありません。



 こわばり、すじばった長い筋肉と。



 石のような、かたいひづめがあるだけです。



 かぁんと乾いた音がします。



 ぼろきれになったドレスを、たるのような胴体に巻きつけて、その重さをぷるぷると四つの足で支えているその姿は、もう、完全に獣そのものでした。



 黒いフードの男は、仕事を終えた満足をその顔に浮かべると、さいごの魔法を唱え、二匹をどこかへと消し去りました。



 ここはどこかしら。



 目覚めた姫さまは、ゆっくりと首を持ち上げます。



 視界がぼんやりして、よくわからないわ。



 それにとても喉がかわいた。



 召使いはどうしたのかしら。私にかわきを覚えさせるなんて。



 嫌だわ。口の中がからからよ。



 ちゃぷちゃぷと水音がした。



 あっちに水があるようね。



 なんとかして足を動かす。



 身体が持ち上がらない。きっと、具合が悪いのね。這い這いで動くしかない。



 一歩。また一歩。



 ああ。水桶があるわ。



 きらきらした反射光が眩しい。



 美味しそう。喉が鳴る。



 あと少しよ。



 顔を持ち上げて。



 かがやく水面をのぞきこむと。



 眼前に、豚の顔があった。



 黒々と穴の開いた、不格好な鼻。



 小さく、顔の両側について、愚鈍そうなまなこ。



 てきとうな落ち葉を拾って頭に貼り付けたような、珍妙な耳。



 いつもにやついているような、いやらしい口端。



 その豚の顔が。こっちを正面に見据えて。



 べろんと舌を突き出している。



 ひっ。どういうこと?



 誰か! この汚らわしい動物をどけて!



 慌てて声をあげる。



 きいーっと、甲高い声が響いた。



 目の前の豚も、口を開けて鳴いた。



 なによこれ。私、どうなってるの?



 脳裏にヒビが入る。



 記憶が蘇った。



 身体を変えられる、おぞましい感触。



 この私が、這いつくばるしかできない屈辱。



 怒りで頭に血がのぼり、思考が回る。世界がクリアになる。自分の置かれた状況を、環境を、五感が理解し始める。



 糞臭と獣臭の混じる脂ぎった空気。絶え間なく響く、できそこないの楽器のような音。蹄が地面を押し付けられ、重たい生き物が動き回る振動。口の中にひろがる獣の唾の味。藁を撒かれた土の地面。ゴミの浮く汚れた水桶。柵と豚小屋の壁。そして――ひたすらに鼻を地面にこすりつける、醜い豚どもの尻。ここは豚飼いの農場なのか。



 私は――。



 大きな水晶の板に、何度も立ち上がろうと前足を上げるこっけいな豚の姿が映ります。



 その豚は、奇妙なことに、波打った髪の毛のようなものが頭部に生えていました。それに、母豚でもなさそうなのに、乳房がぱんぱんにふくれあがっています。



 豚はひづめで宙をかき、声にならぬ声をまき散らしますが、やがてバランスを崩してどちゃりと倒れ込みました。その様子を見て、水晶板の前に集まっている人々が、げらげらと笑い声をあげています。



 その横では、本の前にいる男が朗読をしていました。



「おいおい、"やめろ、私に鼻息をふきかけるな! 誰かぁ、この豚どもをどこかへやってちょうだい!"だってよ! お前も豚だっつうの!」



 ふざけて抑揚をつけた男の朗読に、またひときわ高い歓声が上がります。



 奇妙なことに、男の前にあるその本のページの上では、羽根ペンがひとりでに踊っていました。誰も持ってはいないのに、くるくると舞って紙に文字を連ねていくのです。おまけに、その内容は、まるで水晶板に映る豚の気持ちを代弁しているかのようでした。



「"あんッ! 地面に、おっぱいが擦れてッ! やんっ! 乳首いじらないでッ! なんで私にこんなのがついてるのよぉっ!" 感じてんじゃねぇーよ、この淫乱豚! お似合いじゃねーか!」



 そう、これも黒いフードの男に寄せられた依頼の一部でした。



 変わり果てた姿を映し続ける魔法の水晶と、その心を自動で書き連ねる魔法の本。



 これまで虐げられた民がそれをいつでも見られるように展示して、ずっと中継しているのです。



 そして、豚を映す水晶板と本の隣には――もう一揃いの板と本がありました。



 そこには豊満な乳房をたぷたぷと揺らして歩く牛が映っています。



 気を確かに持つのよ。



 私は王女。



 この程度で私の高貴さは失われない。



 誰だか知らないが、私をこんな目に合わせたやつは許さない。



 絶対に私の前に引きずり出してやる。



 ……。



 張る。じんじんする。動くたびに、股に擦れて痛い。



 どうして牛の乳房って、こんなところにあるのかしら。



 ああ、たまに商人が持ってくる果実牛乳はあんなに美味しいのに。



 それがこんなおぞましい肉塊から出るなんて。



 ……。



 出したい。



 誰か。乳を搾って。



 どんどん中に溜まってくる。重いし痛いわ。



 なんとかこの蹄で触れないか試したけど、だめだった。



 ちょっと! そこの男! なにを気安く私に触れている。



 裸の私を見たことすら、本来は極刑なのだぞ!



 ……。



 え? ちょっと。なにをする気よ。



 は? ずいぶん乳が張ってるみたいだから、さきに搾るか?



 なんだその下賤な物言いは! 私は王女だ! 牛扱いなどゆるさ……。



 やめろ! なんだその輪は! 私の鼻に触れるな!



 ふざけるな! わた……



 ……。



 なに…。なにをしたの? 頭がぼーっとする。



 さっきまで怒ってたはずなのに、急に考えがまとまらなくなったわ。



 鼻につけられた輪っかが気になって、ぺろぺろ舐めてしまう。



 恥ずかしいのに、なんだか安心する。



 まさか、これも魔法の品、なんじゃ、ないでしょうね…。



 えっ? そっちに行くの? わかったわ。



 立派な雌牛だから、いい乳が出るぞだって?



 ふざけ…! いえ、そうね、私は牛よね。



 恥ずかしいのに、訂正することができない。



 人間についていきたい。そうしないと不安になる。



 ……。



 ひっ!



 乳房を触られた。乳首のあたりを男の指がまさぐっている。



 無礼者め! ああ、でも、乳が出そうな予感がするわ。びゅーって出して。恥ずかしい。けど、びゅーって出してくれたらきっとすっきりするわ。びゅー。びゅー……



 あっ、ああっ! 出た! 男の指がきゅっとつまんだら、私の、乳が…!



 くそ! 殺してやる! なんたる恥だ。んっ、気持ちいい、ああっ、この男、うまいわ、どんどん出る、はやく、出し切って、くそ、無礼者め、恥ずかしい、わたしは…



「よしよし、いい牛こだ」



 褒めてくれた。そう。そんなに私っていい牛かしら? まあ、私だものね。



 嬉しいわ。



 恥ずかしい! こんなことを考えるなんて。くそ、絶対ここから逃げ出してやる…!



 人々は、暇があるたび、水晶板を見にきました。



 見飽きないのです。



 はじめは、二匹ともじきに慣れてしまい、ただの動物のようになってしまうかと思ったのですが、ふしぎなことに、そうはならないのでした。



 魔法のちからが、二匹の心を、常に新鮮な状態に保っているのです。



 彼女たちはいつでも自分が姫だったことを思い出し、自分が動物になったことを思い出し、とまどい、恥ずかしがり、怒り、かなしみ、順応しようとし、気持ちよがり、屈辱にふるえるのですから、見るたびにその塩梅が変わり、何度見ても、面白く見られるのでした。



 おまけに二匹とも、王族でしたから、平民が知りようのない珍しいものや、高価なものや、詩や歌や物語について、よく知っていました。折に触れて二匹はそれを心のなかでそらんじて、おのれをなぐさめようとするものですから、そういうときは平民は黙って、本の朗読にじっと聞き入るのです。



 それでも、やはり見物人は日に日に減り、今では見にくる人もまばらです。



 気がつくと、いつの間にか、姫さまたちの様子を見るのは、当番制になっていました。



 グループのうち、だれかひとりが水晶板をチェックして、おもしろそうなときにだけみんなを呼び寄せるのです。



 大した仕事ではないし、それにこの役目になると、新鮮な牛乳をその日は必ず飲めるので、けっこう人気のある役割でした。



 さて、ある男が当番のときのこと。



 



「おーい、こっち来てみろ! あの淫売豚が面白いことになってんぜ!」



「おお! クソ雌豚が雄に乗っかられてんじゃねえか! いいザマだぜ」



「誰か文字読めるやつはいねえのか? いまどんな気持ちなのか知りてえなあ」



「よおし、俺が……うわっ、なんだこりゃ」



「どうした?」



「いや、なんか、文章が……ヘンっていうか。これ読むのか?」



「うるっせーな、いいから読め! 終わっちまうだろーが!」



「うう…えーと…"ブヒィ! ああ――"」



 ブヒィ! ああ、あ、ブ、ブヒィィッ!



 きもちいい! きもちいい! 熱いの入ってくる!



 オスの匂い! オスの匂いが突き抜けてくる! ブヒ! オマンコ濡れる!



 鼻とオマンコから両方、オスにぐちゃぐちゃにされる!



 恥ずかしい! 恥ずかしい! こんな! 私が汚らしい雄豚なんかに!



 ブヒィィィィッ! わたし! いいこと! 考えたからブヒッ!



 もっと鳴くの! 心の中で鳴くの! ブヒ! ブヒ! ブヒ!



 心のなかで鳴けば余計なことは考えないブヒ! あっ! 熱いのくる!



 そうすれば! ブヒ! 豚! わたしは豚! ブヒヒッ!



 全部平気になっちゃえばいいブヒッ!



 エサの匂いして、思わず地面に鼻を突っ込んで掘り返すのも!



 土ごとミミズやムシを食うのも!



 自分がどんどんくっさいくっさい匂いになってくのも!



 ブヒ! 当然だって思えば平気ブヒ! ブヒ!



 ああっ! 雄豚サマ! もっと突いてブヒ! いい匂いブヒ! オスの匂い嗅ぐと、頭がわけわかんなくなってケツが動かなくなるブヒ! 私は雌豚ブヒ! 当然ブヒ!



 子供産むブヒ! おっぱい吸ってもらうブヒ! 幸せブヒッ!



 あっ、あっ、あっ、くるっ、雄豚サマの熱いの、くるブヒッ!



 あ――――――ッ……!!



 



 きもちいいブヒ。



 しあわせブヒ。



 このままがいいブヒ。慣れたいブヒ。豚の生活に慣れてしまいたいブヒ。



 でも気がついたらもとに戻ってる。



 急に昔のことが鮮明になって、まるで昨日まで人間だったみたいな気持ちに戻る。



 でももう豚の生活大好きブヒ。腹いっぱい食って寝たいブヒ。仲間の匂いもオスの匂いも興奮して大好きブヒ。



 そのまま意識だけ戻るから心がわけわかんなくなる。



 …ブヒ。



 魔法のちからは、二匹の心も、身体も、いつまでも健康に保ってくれます。



 だからきっといつまでも、二匹の元気の姿が見られることでしょう。




옛날 옛적 어느 장소에, 매우 아름답고, 매우 심술궂은 공주가 두 명 있었습니다.


권력을 등에 업고, 거들먹거리는 정도라면 차라리 괜찮았을 것입니다.


그 안하무인한 행동에는 왕족들조차 수수방관하고 있었습니다.


한 공주님은, 다른 사람에게서 소중한 것을 빼앗는 것을 매우 좋아했습니다.


새로운 하인이 왔다고 생각하면, 처음에는 친절한 척하고, 그 하인에게 계속 달라붙습니다. 친구처럼 친해지고, 그러고는, 하인이 뭔가 중요한 것을 보여주려고 꺼내는 순간 휙 그걸 뺏는 것입니다.


그 때의 망연자실한 얼굴은 말하자면, 참을 수 없습니다.


하인은, 아직 뻔뻔스럽게도, 공주님과 친구라고 생각합니다. 그러므로, 망연자실한 뒤에는, 히죽히죽거리면서, 공주님의 눈치를 보거나, 상황을 가만히 지켜보기도 합니다. 자신의 소중한 것을, 빼앗기고 있는데 말입니다! 아아, 얼마나 멍청한지.


공주님은 그 얼간이를 확실히 눈에 새겨놓고, 손에 쥔 「그것」을 땅에 떨어뜨려――보석을 장식한 예쁜 구두로, 산산이 짓밟는 것이었습니다.


마치 얼굴에 뻥 구멍이 뚫린 듯한 그 표정을 보고, 공주님은 황홀해했습니다. 하인은 공주님의 발로 기어가, 부서진 것을 붙이려고 노력하거나, 되돌리려고 합니다. 그러고 공주님을 올려다 봅니다.


공주님은, 그 얼굴을, 정말로, 정말로 좋아했습니다.


잠 들기 전에, 이불 속에서 그 얼굴을 떠올리며 행복에 빠지는 것이 공주님의 일과입니다.


그렇게 하면 매우 편안하게 잠을 잘 수 있었습니다.


또 하나의 공주님은, 열심히 거리를 둘러보는 것이 일과였습니다.


물론, 심술궂다고 평판이 날 정도이기 때문에, 백성을 위해 무언가를 하는 것은 아닙니다.


공주님이 가장 좋아하는 것은, 주로 빈민이라 불리는 사람들이었습니다.


제대로 일을 할 수도 없고, 그 날의 음식에도 곤경을 겪고, 항상 배고픈 사람들입니다.


공주님은 그런 사람들을 찾아내면, 구역질나는 악취가 풍기는데도 불구하고, 훌쩍 다가옵니다.


그러고는 상냥하게, 빙긋이 미소를 지으며――


함께 데려온 하인에게 명령해, 땅을 파게 하고, 거기에 음식을 집어넣는 것이었습니다.


눈앞에 있는 빈민들은, 어리둥절합니다.


하인은 명령 받은 대로, 그 위에 부지런히 흙을 덮어갑니다.


빈민들이 그제서야, 방금 던져진 것이, 자신의 배고픔을 채우는 것임을 깨달았을 때에는, 완전히 땅은 원래대로 묻혀 있는 것이었습니다.


당황해서, 맨손으로 땅을 파는 빈민들을, 공주님은 히죽히죽 바라봅니다.


빈민들은 크게 소리 지르고, 때로는 근처에 있던 아이가 옆구리를 얻어 맞아, 구덩이에 부딪히기도 합니다.


겨우 먹을 것을 얻어낸 빈민들은, 드물게도 가족들과 실랑이를 벌이다가, 벌컥 흙투성이의 그것을 베어 뭅니다.


그것을 보고, 공주님은 방긋.


왜냐하면, 그 음식에는, 공주님이 미리 장난을 쳤으니까요.


바늘이라든가.


독충이라든가.


동물의 똥이라든가.


궁궐의 장인에게, 음식과 똑같은 조각 세공을 만들게 한 적도 있다나.


그런 걸 덥석 물어버린 빈민은, 이미 큰 난리.


꽥꽥 소리지르고, 날뛰고, 아무것도 모르는 다른 빈민에게 얻어맞아 먹을 걸 빼앗기고, 그 빈민이 다시 흥분하고.


그런 모습을 보고, 공주님은, 진심으로 즐거운 듯이, 깔깔 웃는 것이었습니다.


그래서, 그런 공주님들이니까, 원한은 쌓이는 법입니다.


누가 시작했는지 모를 이야기가 나오자, 어느새 의견이 모아져, 「혼내줘」라고 누군가에게 부탁하는 것입니다.


물론, 귀족이나 왕족들은, 그 흐름을 파악하고 있습니다만――「저 녀석들이니까, 뭐 됐다」라고 생각해서, 손은 대지 않습니다.


그런 겁니다.


그러니까, 어느 오찬 후에, 공주님 두 분이 한꺼번에 불려나갔을 때도――주위의 왕족들은, 휙 눈을 돌릴 뿐이었습니다.


궁전 옆에 있는 탑은 지금은 사용되고 있지 않은 것으로, 텅 비어 있었습니다.


있는 것은 공주님 둘뿐.


「잠깐, 무슨 일이야」


「잠깐, 무슨 일이야」


공주님 두 분은 한 목소리로 묻습니다만, 대답은 어느쪽도 모릅니다.


목소리가 높은 천장에 왕왕 울렸습니다.


거기에 어렴풋이 추운 것을 느꼈을 때, 드디어, 삐걱거리는 문소리가 나며, 공주님 이외의 사람이 탑으로 들어왔습니다.


「너, 누구야」


어느 한 쪽의 공주님이 말했습니다.


「무엄한 놈! 무슨 말이라도 해라」


또 다른 공주님이, 목소리를 높혔습니다.


그 남자는, 검은 후드를 쓰고 있고, 이상한 분위기를 감고 있었습니다.


게다가, 공주님의 명령에 전혀 반응하지 않습니다.


지금까지 본 적이 없는 종류의 인간에게, 공주님은 둘 다 주춤해 버렸습니다.


 검은 후드의 남자는 천천히 손바닥을 공주님들에게 가져다 댑니다.


그러고는, 들어본 적이 없는 말을 세 마디.


그러자, 짙은 공기가 왜곡된 것 같은 느낌이 들었습니다.


검은 후드의 남자 뒤에,  뭔가가 있는 것 같은 느낌이 들었습니다.


보이지 않고, 들리지 않지만. 공기의 움직임을 바꾸는 것과 같은 것이 남자의 뒤에 떠 있습니다.


남자가 또 무슨 말을 합니다. 전혀 무슨 뜻인지 모를 말을.


그러자, 그 보이지 않는 덩어리는――


공주님들을 향해, 날아 왔습니다.


푹푹 찌는, 무더운 여름의 습기 같은 것이, 몸을 감싸고 있었습니다.


소중한 것을 짓밟기를 좋아하는 공주님은, 그렇게 느꼈습니다.


그것은 두근두근, 맥동하는 것 같기도 합니다.


뭔가, 매우 위험한 느낌이 들었습니다.


이대로 이 공기 속에 있으면, 뭔가, 돌이킬 수 없는 일이 생긴다.


그런 예감이 들었습니다.


빠져나가려고 손을 휘저어 보지만, 공기는 손의 움직임과 함께 꿈틀거려, 조금도 경계에서 벗어나지 못했습니다.


매우 싫은 기분입니다.


공기는, 점점 몸 속으로 파고들고 있는 것 같습니다.


입과 코로.


손톱 끝으로.


모공 하나하나로.


그리고, 내면에 쌓여가는 것입니다.


몸 속이 쿵하고 무겁다.


빨리, 이걸 토해내지 않으면――.


그렇게, 공주님이 생각하고, 배에 힘을 주는 순간.


퐁하고, 공주님의 배가 부풀었습니다.


몸의 크기에 딱 맞았던 드레스가, 불쾌하게 밀려 올라갔습니다.


사마귀 같은 것이, 드레스에 튀어나오고 있었습니다.


그것은 점점 커지고, 형태가 뚜렷해져서――


드디어 드레스를 찢고, 그 모습을 드러냈습니다.


흉한 살덩어리 같은 것에, 부드러운 돌기가 붙어 있는 그것은.


어떻게 봐도, 소의 유방이었습니다.


흡입해 버린 공기가, 몸의 안쪽에서 꿈틀거리고 있었습니다.


상스럽게도, 공주님의 엉덩이와, 허벅지나, 무릎 뒤쪽을, 안쪽에서 쓰다듬고 있는 것입니다.


그것이 공주님의 몸의 모양을 바꾸고 있는 거라고, 공주님은 짐작했습니다.


그도 그럴것이, 뼈가 커지고 있는 것이었습니다.


근육이, 부풀어 오르고 있는 것이었습니다.


부드러웠던 공주님의 피부가, 뻣뻣해지고 있는 것이었습니다.


이 공기를 내뿜지 않으면.


나는 분명, 전신이 소가 되어 버릴 거야.


공주님은 그렇게 생각해서, 어떻게든 입을 벌리고, 몸 안의 무거운 공기를 토해내려고 했습니다.


그렇지만 이미, 늦은 모양입니다.


입을 크게 벌린 순간, 공주님의 예쁜 얼굴이 일그러집니다.


마치 점토를 움켜잡고 끌어올리듯이.


공주님의 얼굴은 크게 앞으로 밀려나와서.


짐승의 것과 같은, 모습이 되어 버렸습니다.


공주님의 반듯한 코가 찰싹 퍼지나 싶더니, 그대로 옆으로 벌어져, 보기 흉하고, 커다란 콧구멍이 드러났습니다.


울상이 되어, 콧구멍이 부풀어 오르는 대신에, 그 동굴과 같은 소의 콧구멍이, 벌렁벌렁 벌어지고 있는 것입니다.


공주님의, 아름다운 생머리 틈으로, 뾰족한 귀가 뻗어 나옵니다.


공주님의, 매끄러운 머리 끝에서, 쭉 구부러진 뿔이 자라납니다.


이미, 공주님의 얼굴은, 꽤나 소 같아졌습니다.


그럼, 다른 공주님은 어떨까요?


빈민이 기어다니며, 땅을 파는 걸 지켜보기를  좋아하는 그 공주님입니다.


마찬가지로, 이상한 공기에 둘러싸인 공주님은, 자신의 몸이 묵직하게 무거워지는 것을 느끼고 있었습니다.


하지만, 이미, 어떻게 할 수 없습니다.


 몸이 무거워서, 도망치기는커녕, 움직이는 것도 여의치 않습니다.


들이마신 공기는, 구석구석까지, 몸 속으로 퍼져나가고 있습니다.


퐁하고, 공주님의 체형이, 한층 뚱뚱해졌습니다.


다시, 또 한층.


거기에, 또 한층.


안쪽 공기가 저절로 커지고 있는 것처럼 공주의 몸도 점점 부풀어 오르는 것입니다.


체형이 포동포동해지자, 천은 당겨지고, 드레스의 솔이 뚝뚝 터져갑니다.


그렇게, 이쪽 공주님의 배에도, 기분 나쁜 돌기가 드러나기 시작합니다.


마치, 드레스 밑에서 기묘한 버섯이, 일제히 자라 뚫고 나오려 하는 것 같았습니다.


찌익 찌익 찌익.


이와 같은 사태를 상정하지 않았던 공주님의 드레스는, 갑자기 찢어집니다.


완전히 살집이 늘어난 공주님의 배에 여러 개의 유방이 세로로 늘어서 있었습니다.


원래 한 쌍 밖에 없을 유방이 몇 개나 이어져 있는 모습은, 규칙적인 것이, 오히려 더욱 소름 끼쳤습니다. 


도대체 자신의 몸이 어떻게 되어 가고 있는건지, 공주는 짐작도 할 수 없었습니다.


하지만, 이해할 수 없어도, 공주님의 변화는 멈추지 않습니다.


동그랗게 볼이 튀어나온 공주님의 얼굴에, 동그랗고 귀여운 코.


그것이, 근질근질해지기 시작했습니다.


바로 쭉 위로 밀려올라갔나 싶더니, 마치 치켜올린 듯한 콧구멍이, 정면을 향해 드러나게 고정되었습니다.


그대로 공주님의 얼굴도, 역시 입도, 코도, 한꺼번에 앞으로 끌려나와, 찌그러진 콧구멍이 얼굴 맨 앞에 가라앉는 형태가 되어 버렸습니다.


코는 점점 비대해지고, 두툼해지고, 촉촉하게 젖고, 뒤집힌 하트와 같은 형태로 굳어집니다. 끝내 솟아올라, 공주님의 매끄러운 콧날에, 보기 드문 주름이 잡혔습니다.


어느 새, 공주의 귀는, 팔로 눌러진 빵 반죽처럼 납작하고, 삐뚤삐뚤하게 되어 있었습니다.


투명해보이는 흰 피부에는, 뾰족하고 단단한 털이, 드문드문 자라기 시작했습니다.


후기익, 후기익하고 울리는 비음으로, 공주님은, 드디어 자신이 무엇이 되어 있는지 깨달았습니다.


빈민가로 가는 길에, 이 볼품없는 나팔 같은 소리를, 몇 번이나 들어 본 적이 있었습니다.


통통하게 살 쪄있고, 진흙으로 뒤덮혀, 잔반은 고사하고, 똥까지 먹는, 그 동물.


돼지입니다.


소가 된 공주님과, 돼지가 된 공주님이, 어떻게든 이 자리에서 벗어나려고, 어색하게 몸부림치고 있습니다.


다리와 허리의 형태가 바뀌어서, 가만히 서 있는 것이 힘들었습니다.


큰 엉덩이가 보기 흉하게 좌우로 흔들리고, 그때마다 갓 나온 꼬리가 흔들리면서, 공주들은 그 끔찍함에 울음을 터뜨릴 뻔했습니다.


부풀어오른 젖가슴을 부르르 떨면서, 그 끝에 바람이 닿을 때마다, 확실히 자신의 가슴인 것이 느껴져, 고함을 지를 뻔했습니다.


하지만, 지금은 도망치지 않으면 안 됩니다.


도망쳐서, 어떻게든, 아바마마나 어마마마께, 도움을 받지 않으면 안 되는 것입니다.


물론, 그런 일은 일어나지 않습니다.


모두들 이미, 공주님이 이렇게 될 거라는 걸, 알고 있으니까요.


가련한 두 공주님을 보고 검은 후드의 남자는 마무리에 착수합니다.


남자는 손에 힘을 모으고 ――


휙하고 바로 아래로 내려쳤습니다.


마치 꼭두각시 인형처럼, 공주님 두 분은, 그 움직임에 이끌려, 마치 하인이 엎드리는 것처럼, 고개를 숙이고, 땅바닥에 손을 밀어버립니다.


아니, 더 이상 손이 아니었습니다.


잘 구부러지는 손가락은 없습니다.


어여쁜 손톱도 없습니다.


뻣뻣하고, 힘줄이 긴 근육이랑.


돌 같은, 딱딱한 발굽이 있을 뿐이었습니다.


캉하고 메마른 소리가 났습니다.


너덜너덜해진 드레스를, 나무통 같은 몸에 두르고, 그 무게를 바들바들 네 발로 받치고 있는 그 모습은, 이미, 완전히 짐승 그 자체였습니다.


검은 후드의 남자는, 일을 마친 만족감을 그 얼굴에 띄우더니, 마지막 마법을 외치며, 두 마리를 어딘가로 지워버렸습니다.

 

여기는 어디인걸까.


눈을 뜬 공주는, 천천히 고개를 들었습니다.


시야가 흐릿해서, 잘 모르겠어.


게다가 너무 목이 말라.


하인은 어떻게 된 걸까. 나한테 갈증을 느끼게 하다니.


싫어. 입안이 바싹바싹해.


쫄랑쫄랑 물소리가 났다.


저쪽에 물이 있나 보네.


어떻게든 발을 움직인다.


몸이 들려지지 않아. 분명, 상태가 나쁜거야. 기어 다니면서 움직일 수밖에 없어.


한 걸음. 또 한 걸음.


아. 물통이 있어.


반짝반짝거리는 반사광이 눈부셔.


맛있겠다. 침이 고여.


잠시 후.


얼굴을 들어 올리고.


빛나는 수면을 들여다 보자.


눈앞에 돼지의 얼굴이 있었다.


거무스름하고 구멍이 뚫린, 불규칙한 코.


작고, 얼굴 양쪽에 붙어, 우둔해 보이는 눈.


적당한 낙엽을 주워 머리에 붙인 것 같은, 묘한 귀.


언제나 히죽거리는 듯한, 징그러운 입꼬리.


그 돼지의 얼굴이. 이쪽을 정면으로 향하고.


메롱하고 혀를 내밀고 있다.


힉. 무슨 일이야?


누구든! 이 더러운 동물을 치워!


황급히 소리를 질렀다.


꾸이익하고, 날카로운 소리가 울렸다.


눈앞의 돼지도 입을 열고 울었다.


뭐야 이거. 나, 어떻게 된 거야?


머리 속에 빈틈이 생기고.


기억이 되살아났다.


몸이 바뀌어지는, 끔찍한 감촉.


이 내가, 기어 다닐 수 밖에 없는 굴욕.


분노로 머리에 피가 오르고, 사고가 돌아간다. 세계가 선명해진다. 자신이 처한 상황을, 환경을, 오감이 이해하기 시작한다.


배설물과 짐승 냄새가 섞인 기름진 공기. 끊임없이 울리는, 못난 악기 같은 소리. 발굽이 땅을 짓누르고, 무거운 생물이 돌아다니는 진동. 입안에 퍼지는 짐승의 침의 맛. 짚을 뿌린 땅의 땅. 쓰레기가 떠 있는 더러운 물통. 울타리와 돼지 우리의 벽. 그리고―― 한결같이 코를 땅에 문지르는, 추한 돼지의 엉덩이. 여기는 돼지 농장인가.


나는――.


큰 수정판에, 몇번이나 일어나려고 앞발을 올리는 괴로운 돼지의 모습이 비쳐집니다.


그 돼지는, 이상하게도, 굽이치는 머리카락과 같은 것이 머리에 자랐습니다. 게다가, 어미 돼지도 아닌 것 같은데, 유방이 빵빵히 부풀어 있습니다.


돼지는 발굽으로 허공을 휘젓고, 목소리가 되지 못한 소리를 훝뿌리지만, 이윽고 균형을 잃고 털썩 쓰러졌습니다. 그 모습을 보고 수정판 앞에 모여 있는 사람들이 껄껄 웃고 있었습니다.

 

그 옆에서는, 책 앞에 있는 남자가 낭독을 하고 있었습니다.


「이봐, " 그만둬, 나에게 콧김을 뿜지마! 누군가, 이 돼지들을 어딘가로 보내줘!" 그치만! 너도 돼지잖아!」


장난스럽게 억양을 붙인 남자의 낭독에, 또 한층 높은 함성이 터져 나옵니다.


이상하게도, 남자 앞에 있는 그 책 페이지 위에서는, 깃펜이 스스로 춤을 추고 있었습니다. 아무도 쥐고 있지는 않은데, 빙글빙글 춤을 추며 종이에 글자를 실어나르는 것입니다. 게다가, 그 내용은, 마치 수정판에 비치는 돼지의 마음을 대변하는 것 같았습니다.


「"아야! 땅바닥에, 가슴이 닿아서! 끼약! 젖꼭지 건드리지 마! 왜 나에게 이런 게 붙어 있는 거야!" 느끼고 있네, 이 음란돼지 년! 잘 어울리잖아!」


그렇습니다, 이것도 검은 후드의 남자에게 접수된 의뢰의 일부였습니다.


변한 모습을 계속 비추는 마법의 수정과, 그 마음을 자동으로 써내려가는 마법의 책.


그동안 괴롭힘을 당한 백성들이 그것을 언제든지 볼 수 있도록 전시하고, 계속 중계하고 있는 것입니다.


그리고 돼지를 비추는 수정판과 책 옆에는――또 한 쌍의 판과 책이 있었습니다.


거기에는 풍만한 유방을 흔들며 걷는 소가 비치고 있습니다.


정신을 확실히 차리는 거야.


나는 왕녀.


이 정도로 나의 고귀함은 잃지 않아.


누군지 모르지만 나를 이런 꼴로 만든 놈은 용서하지 않겠어.


무조건 내 앞으로 끌고 올 거야.


……


팽팽해. 욱신욱신거려. 움직일 때마다, 사타구니에 닿아서 아파.


어째서 소의 유방은, 이런 곳에 있는 걸까.


아, 가끔 상인이 가져오는 과일 우유는 그렇게 맛있었는데.


그게 이런 끔찍한 살덩이에서 나온다니.


……


짜내고 싶다.


누군가. 우유를 짜줘.


점점 안에 쌓여가. 무겁고 아파.


어떻게든 이 발굽으로 건드릴 수 있는지 시험해봤지만, 소용없었다.


잠깐! 거기 남자! 어디서 스스럼없이 나를 만지는거야.


벌거벗은 나를 본 것조차, 원래였으면 극형이라고!


……


응? 잠깐. 뭘 하려는 거야.


뭐? 제법 젖이 부푼 것 같으니까, 먼저 짜낼까?


뭐야 그 천한 이야기는! 나는 공주야! 소 취급 따위는 용서......


그만해! 뭐야 그 고리는! 내 코를 건드리지 마!


웃기지 마! 나…


……


뭐야… 뭘 한거야? 머리가 멍해.


아까까지 화내고 있었을텐데, 갑자기 생각이 정리되지 않게 됐어.


코에 붙여진 고리가 신경 쓰여, 할짝할짝 핥아 버린다.


부끄러운데, 왠지 안심이 된다.


설마, 이것도 마법의 물건, 따위는, 아닌 것 같네…


어? 그쪽으로 가는 거야? 알았어.


훌륭한 암소니까,  좋은 우유가 나올거라고?


웃기지...! 아니, 그래, 나는 소였지.


부끄럽지만 정정할 수 없다.


인간을 따라가고 싶어. 안 그러면 불안해져.


……


힉!


유방을 만져졌다. 젖꼭지 근처를 남자의 손가락이 더듬고 있다.


무례한 놈! 아, 근데, 우유가 나올 것 같은 예감이 들어. 휙 짜줘. 부끄러워. 하지만, 휙 짜준다면 분명 개운할거야. 휙. 휙...


앗, 아앗! 나왔다! 남자 손가락이 꽉 쥐면 내 젖이...!


젠장! 죽여버릴 거야! 이게 무슨 창피야. 아읏, 기분 좋아, 아앗, 이 남자, 잘한다, 자꾸 나와, 자꾸 나와서, 빌어먹을 무례한 놈 같으니 난...


「잘했어, 좋은 소구나」


칭찬해줬어. 그래. 그렇게 내가 좋은 소인건가? 뭐, 나인걸.


기쁘다.


창피해! 이런 생각을 하다니. 젠장, 무조건 여기서 도망쳐 주겠어...!


사람들은, 틈이 날 때마다, 수정판을 보러 왔습니다.


질리지 않는 겁니다.


처음에는, 두 마리 모두 곧 익숙해져 버려서, 보통 동물처럼 되어 버리지 않을까 생각했습니다만, 이상하게도, 그렇게는 되지 않는 것이었습니다.


마법의 힘이, 두 마리의 마음을, 항상 신선한 상태로 유지하고 있는 것입니다.


그녀들은 언제든지 자신이 공주였다는 것을 떠올리고, 자신이 동물이 되었다는 것을 떠올리며, 망설이고, 부끄러워 하고, 분노하고, 슬퍼하고, 순응하려고 하며 기분 좋고 굴욕감에 떨기 때문에 볼 때마다 그 방식이 바뀌어 몇 번을 봐도 재미있게 볼 수 있었던 것입니다.


게다가 두 마리 모두 왕족이었기 때문에, 평민들이 알 수 없는 희귀한 것이나, 비싼 것이나, 시나 노래와 이야기에 대해, 잘 알고 있었습니다. 이따금 두 마리는 그것을 마음속으로 외우며 스스로를 달래려고 하는 것이기 때문에, 그럴 때는 평민은 잠자코, 책 낭독에 가만히 귀를 기울이는 것입니다.


그래도, 역시 구경꾼은 나날히 줄어, 이제는 보러 오는 사람도 드문 것입니다.


정신을 차리고 보니, 어느새인가, 공주들의 모습을 보는 것은, 당번제가 되어 있었습니다.


그룹 중 누군가 한 명이 수정판을 체크하고, 재미있을 것 같을 때만 모두를 불러들이는 것입니다.


대단한 일도 아니고, 게다가 이 역할을 하게 되면, 신선한 우유를 그날은 반드시 마실 수 있기 때문에, 상당히 인기 있는 역할이었습니다.


그리고, 어떤 남자가 당번일 때에.


 


「어이, 이리 와봐! 저 음란돼지가 재미있어졌단 말이야!」


「오오! 빌어먹을 암돼지가 수컷에게 덮쳐진 거 아냐! 좋은 꼴이구만.」


「누구 글 읽을 수 있는 녀석은 없냐? 지금 어떤 기분인지 알고 싶은데.」


「좋아, 내가… … 우왓, 이게 뭐야.」


「왜 그래?」


「아니, 뭔가, 문장이...이상하다고 해야 하나. 이거 읽어야 되냐?」


「시끄러워, 됐으니까 읽어! 끝나버리잖아!」


「우우… 그러니까… "꿀꿀! 아아――"」


꿀꿀! 아아, 아, 꿀, 꿀꿀!


기분 좋아! 기분 좋아! 뜨거운 거 들어온다!


수컷 냄새! 수컷 냄새가 뚫고 나와! 꿀꿀! 보지 젖는다!


코와 보지까지 둘 다, 수컷으로 엉망진창이 된다!


부끄러워! 부끄러워! 이런! 내가 더러운 수퇘지 따위에게!


꿀꿀꾸이익! 나! 좋은 게! 생각났으니까 꾸후울!


더 우는거야! 마음속으로 우는거야! 꿀꿀! 꿀꿀! 꿀꿀~


마음속으로 울면 쓸데없는 생각은 나지 않는다 꿀! 앗! 뜨거운 거 온다!


그렇게 하면! 꿀꿀! 돼지! 나는 돼지! 꾸후후!


전부 괜찮아지면 된다 꿀!


먹이 냄새가 나서, 무심코 땅에 코를 박고 파내는 것도!


흙째로 지렁이랑 벌레를 먹는 것도!


자기한테 자꾸만 나쁜 냄새가 나는 것도!


꿀꿀! 당연하다고 생각하면 태연하다꿀! 꿀꿀!


아앗! 수퇘지님! 더 찔러줘 꿀! 좋은 냄새 꿀! 수컷의 냄새 맡으면, 머리가 의미도 모르게 되고 엉덩이가 움직이지 않게 되는 꿀! 난 암퇘지 꿀! 당연한 꿀!


아이 낳는다 꿀! 가슴 빨아줘 꿀! 행복하다 꿀!


앗, 앗, 앗, 온다, 돼지님의 뜨거운 것, 온다꿀!


아―――――――흣……! !


 


기분 좋아 꿀.


행복해 꿀.


이대로가 좋아 꿀.익숙해지고 싶어 꿀. 돼지 생활에 익숙해 지고 싶어 꿀.


하지만 정신을 차려보면 원래대로 돌아가고 있어.


갑자기 옛날이 선명해지고, 마치 어제까지 인간이었던 것 같은 기분으로 돌아와.


근데 이제 돼지 생활 너무 좋아 꿀.배불리 먹고 자고 싶어 꿀. 동료 냄새도 수컷 냄새도 흥분돼서 너무 좋아.


그냥 의식만 돌아오니까 마음을 알 수 없게 됐어.


…꿀.


마법의 힘은, 두 마리의 마음도, 몸도, 언제까지나 건강하게 유지해 줍니다.


그러므로 분명 언제까지나 두 마리의 건강한 모습을 볼 수 있을 것입니다.